人生の振り返り

人生の振り返り|第13話 私は、なぜこんなにも過去にこだわるのか

第13話

この「人生の振り返り」という記事を書き始めて、13話目になります。

自衛隊にいた頃のこと。

ギャンブルにのめり込んでいった頃のこと。

両親のこと。

介護の仕事のこと。

そして、子どもの頃のこと。

これまで、自分でも驚くほど昔のことを書いてきました。

そんな記事を書きながら、先日ふと思ったことがあります。

私は、なぜこんなにも過去にこだわっているのだろう。

今日は、そんな話を書いてみようと思います。

70歳になっても忘れられないこと

私には、今でも心の中に残っている人や出来事があります。

20歳頃に出会った、同級生の女性のこと。

離婚した妻や子どもたちへの思い。

自衛隊時代、「自分は優秀だった」と思っていた自分への驕り。

ギャンブルにのめり込んでいった自分。

父と母のこと。

そして、介護の世界へ入ってから出会った人たち。

もう何十年も前のことなのに、ふとした瞬間によみがえってきます。

「あの時、違う選択をしていたら」

「あんなことをしなければ」

「あの人に、もう一度会えたなら」

そんなことを考える時があります。

でも、70歳になった今になって、少し気になり始めました。

私は、過去にこだわりすぎているのではないだろうか。

そして、そのこだわりが、これからの私を生きづらくしてはいないだろうか。

過去は、どうやっても変えられない

考えてみれば、当たり前のことです。

過去の出来事を変えることはできません。

昨日までの自分の生き方が、今の自分をつくっています。

良かったことだけではありません。

失敗したこともある。

人を傷つけたこともある。

自分が傷ついたこともある。

後悔していることもあります。

それらを全部抱えて、今の私がここにいます。

それなのに私は時々、変えることのできない昔の出来事を頭の中へ引っ張り出して、

「あの時……」

と考えている。

何十年前の出来事に、今の自分が悩んでいる。

考えてみれば、不思議なことです。

では、忘れてしまえばいいのでしょうか。

そう考えてみたのですが、どうも違うような気がします。

忘れようと思って忘れられるくらいなら、何十年も心には残っていないでしょう。

では、どうすればいいのか。

最近、そんなことを考えるようになりました。

会って謝らなくてもいいのかもしれない

私には、謝りたい人がいます。

「あの時は申し訳なかった」

そう伝えたい人もいます。

できることなら、もう一度会って話をしてみたい。

そんなことを考えたこともあります。

でも最近は、少し違うことを思うようになりました。

本当に、会わなければならないのだろうか。

何十年も経ってから突然現れて、昔のことを謝る。

それは私の心を楽にするためであって、相手が望んでいることとは限りません。

だったら、会わなくてもいいのではないか。

今日から、その人を思い出した時、

「あの時は申し訳なかった」

そして、

「あの時は、ありがとう」

そう心の中で言えばいいのではないか。

それで過去が消えるわけではありません。

許してもらえるわけでもありません。

ただ、後悔だけを抱えて生きるより、感謝も一緒に持っていく。

それなら、できそうな気がします。

両親についても同じです。

もう、父にも母にも会うことはできません。

それでも、心の中で話すことはできます。

「もっとこうしてあげればよかった」

ではなく、

「育ててくれて、ありがとう」

少しずつ、そう変えていければいいのかもしれません。

すべてを解決しなくてもいい

仕事をしていれば、今でも腹が立つことがあります。

「どうして、こうなんだ」

と思うこともあります。

以前の私なら、何とか改善しようとしたかもしれません。

相手を変えようとしたり、環境を変えようとしたり。

でも70歳になった今、ふと思います。

そこから離れてもいいのではないか。

すべての問題と戦う必要はない。

すべてを解決してから人生を終えなければならないわけでもない。

嫌なことから少し離れる。

どうしても変えられないことなら、そのまま置いておく。

そんな生き方があってもいいのではないでしょうか。

若い頃なら、こんな考え方はできなかったと思います。

逃げてはいけない。

最後までやらなければならない。

負けてはいけない。

そんなことばかり考えていました。

でも、もう70歳です。

これからの時間まで、変えられないものと戦い続ける必要はないような気がしています。

過去を捨てるのではなく

最初、私はこう考えました。

残された人生は、過去への執着から自分を解放する時間なのではないか。

でも、こうして文章を書いているうちに、それも少し違うような気がしてきました。

過去を捨てる必要はないのかもしれません。

忘れる必要もない。

20歳の頃に出会った人も。

離れてしまった家族も。

父も母も。

自衛隊時代の自分も。

ギャンブルにのめり込んだ自分も。

全部、私の人生です。

都合の悪いところだけ切り取って捨てることなど、できません。

だったら、持っていけばいい。

ただし、いつまでも過去の方を向いたまま歩くのではなく、

「あの時は、ありがとう」

「申し訳なかった」

そう言って、少しずつ前を向く。

それでいいのではないでしょうか。

そして、今日を生きる

私の人生があと何年残されているのかは分かりません。

だからといって、大きなことを成し遂げたいとも思いません。

小さな目標があればいい。

行ってみたい温泉が一つある。

書いてみたいブログの記事が一つある。

週末になれば、競馬がある。

そして、明日もやってみようと思えることが一つある。

それくらいでいい。

過去は変えられません。

そして、たぶん私はこれからも昔のことを思い出すでしょう。

懐かしくなることもある。

後悔することもある。

もう一度会いたいと思う人もいるでしょう。

それを無理に消そうとは思いません。

ただ、そのたびに、

「あの時は、ありがとう」

そう心の中で言ってみようと思います。

そして、また今日へ戻ってくる。

もしかすると、それが私にとって、

過去から解放されるということなのかもしれません。

70歳になった今も、まだ答えは分かりません。

でも、残された人生くらいは、

過去を悔やむためではなく、

今日を穏やかに生きるために使いたい。

今は、そんなふうに思っています。

-人生の振り返り