札幌から少し離れて、一人で温泉に行きたくなりました。
有名な観光地を回りたいわけでもありません。
できれば観光客が少なく、古くて、ひなびた温泉。
そんな場所を探して選んだのが、登別の奥にあるカルルス温泉の鈴木旅館でした。
鈴木旅館の前身は、1899年(明治32年)に開業した「寿館」。
その後、1910年(明治43年)に鈴木旅館へと名前を変えています。
100年以上の歴史を持つ、カルルス温泉最古の温泉旅館です。
札幌からバスでカルルス温泉へ
今回は札幌から道南バスを利用して登別温泉へ向かいました。
登別温泉バスターミナルから鈴木旅館まではタクシーです。
時間は15分ほど。
料金は約3,000円でした。
鈴木旅館の公式サイトでも、登別温泉ターミナルからタクシーで約15分、約3,000円と案内されています。
ここは注意が必要です。
私は事前にタクシーを予約していました。
運転手さんの話では、予約していないと、すぐに来てもらえない場合があるとのことでした。
山の中ですから、登別温泉から歩いて行くという選択は、私はおすすめしません。
公共交通で行くなら、帰りも含めてタクシーを事前に手配しておいた方が安心だと思います。
私が好きな「ひなびた温泉」がそこにあった
到着して最初に感じたのは、
「これはいい」
ということでした。
新しくて豪華な旅館とは違います。
建物には長い年月を重ねてきた雰囲気があります。
私はこういう古い旅館が好きです。
レトロ感のある建物を見ると、それだけで少しワクワクしてきます。
「昔からここにあるんだな」
そんなことを考えながら中に入りました。
昔の旅館そのものだった部屋
到着したときには、すでに布団が敷かれていました。

窓の向こうには木々が見えます。
豪華な設備があるわけではありません。
残念だったのは、ソファーや座椅子など、私が楽に座れるものがなかったことです。
私は床に直接座ることが少し苦手なので、ここだけは少々困りました。
ところが、そのおかげだったのかもしれません。
私は布団の上にごろっと横になりました。
そして窓を開けました。
「川の音がうるさい」と言った人と、心地よかった私
旅館の横を川が流れています。

窓を開けると、その川の音が部屋まで入ってきます。
静かなせせらぎという感じではありません。
結構、大きな音です。
私より後に来た宿泊客の一人が、
「川の音がうるさいので部屋を替えてほしい」
と頼んでいました。
その気持ちも分かります。
でも、私には逆でした。
布団の上にごろっとなって目を閉じる。
聞こえてくるのは川の音。
しばらくそうしていると、頭の中が静かになっていくようでした。

普段の生活では、何もしない時間というのは意外とありません。
仕事のことが頭をよぎることもありました。
そのたびに、
「今は考えないようにしよう」
と振り払いました。
一人だから寂しい、という感覚はありません。
人生の半分以上を一人で生きてきましたから、一人でいることには慣れています。
むしろ気楽です。
何時に風呂に入ってもいい。
眠くなったら横になればいい。
誰かに合わせる必要もありません。
私にとっては、それが一人旅の良さなのだと思います。
温泉は文句なし。3回入りました
そして、一番楽しみにしていた温泉です。
これはよかった。
大浴場には温度の違う3種類の浴槽があります。
熱い湯。
その中間。
そして、ぬるめの湯。
源泉かけ流しの温泉で、私は滞在中、3回入りました。
驚いたのは人の少なさです。
3回入って、一番多かったときでも私を含めて3人。
ほとんど貸し切りのような時間もありました。
そして、私が気に入ったのが**「木の枕」**です。
浴場に備え付けられた木の枕を使って横になります。
古い浴場。
温泉。
木の枕。
そこで横になって、何もしない。
私には最高の時間でした。
※浴場内の写真はありません。入浴施設では撮影禁止の場合もありますので、無理に撮影しない方がいいと思っています。
朝食は「昔の旅館」を思い出す食事
今回は夕食を付けず、朝食だけお願いしました。
卵などが並んだ、昔の旅館を思い出すような朝食でした。
豪華さを求めるというより、
「こういうのでいいんだよな」
と思える朝ごはんです。
ただ、部屋にあった案内で夕食を見て、少し後悔しました。
季節を感じる料理で、
「これなら食べてみたかったな」
と思ったからです。
次に泊まるときは、夕食付きにしてみようと思っています。
宿泊料金は1泊朝食付きで約8,000円
私が泊まったときは、1泊朝食付きで約8,000円でした。
このほか、現地で別途料金を支払いましたが、正確な内訳を記録していなかったため、ここでは金額だけにしておきます。
現在の公式サイトでは、入湯税と北海道宿泊税が別途必要と案内されています。
宿泊料金や税金などは変更される場合がありますので、予約するときには最新の料金を確認することをおすすめします。
※カルルス温泉には鈴木旅館以外にも宿があります。宿泊先を比較したい方はこちらも参考になります。
公共交通で行って分かったこと
今回、札幌から公共交通で行ってみて、一つ考えたことがあります。
札幌から登別までのバス代。
そして、登別温泉バスターミナルから鈴木旅館までの往復のタクシー代。
これを全部合わせると、それなりの金額になります。
一人なので公共交通の方が気楽なのですが、料金だけを考えると、レンタカーの車種や料金によっては車の方が安くなる可能性があります。
次に行くときは、レンタカーも比較してみようと思っています。
車の場合は、登別東ICから鈴木旅館まで約20分。
無料駐車場もあります。
ただし山間部ですので、特に冬は道路状況を確認してから向かった方がいいでしょう。
また行きたいと思った

「もう一度行きたい」
と思いました。
豪華なホテルだったからではありません。
新しい設備が揃っていたからでもありません。
むしろ逆です。
古い旅館。
昔ながらの部屋。
熱さの違う温泉。
木の枕。
窓の外から聞こえてくる川の音。
そして、一人で何もしない時間。
それが私にはよかった。
70歳になると、旅の楽しみ方も昔とは変わってくるのかもしれません。
あそこも見たい。
ここにも行きたい。
そんな旅行も楽しいでしょう。
でも今の私は、
温泉に入って、
布団にごろっと横になって、
川の音を聞く。
それだけでも十分です。
次は夕食も食べてみたい。
そして今度は、外観や浴場の入口も忘れずに写真を撮ってこようと思います。
また一つ、行きたい場所ができました。
カルルス温泉へ行ってみたい方へ
カルルス温泉には、今回宿泊した鈴木旅館のほかにも温泉宿があります。
宿泊料金やプランを比較して、自分に合った宿を探してみてください。
登別カルルス温泉 湯元オロフレ荘