9月第2週の競馬が終わりました。
今週を振り返って、最初に頭に浮かんだのは的中した馬券のことではありません。
「結果が良ければ、ルールを破っても正解なのだろうか?」
ということでした。
先週の週末競馬検証で、私は自分にこう言い聞かせました。
触らない。迷わない。勝手に買わない。
8月は競馬AIを作りながら実戦していたため、レース直前までシステムを触って締切に間に合わなかったり、手動購入で馬番を間違えたりしました。
だから9月からは、現在のルールをなるべく変えない。
AIが買目を出したら買う。
出さなければ見送る。
そして結果を蓄積する。
そう決めました。
ところが今週、私は早くもそれを守れませんでした。
ローズS――AIが「買う」、私は買わなかった
ローズSでAIが購入対象としたのは7番モンローウォークでした。
単勝1.9倍、複勝1.2倍。
AIが算出した購入金額は、
単勝10,000円+複勝20,000円=合計30,000円。
これを見て私は、
「3万円は大きすぎる」
と感じました。
1番人気で単勝1.9倍。
複勝は1.2倍。
確率的には期待できる馬だったのでしょう。
それでも、競馬に絶対はありません。
もし外れれば、一つのレースで30,000円を失います。
私はその金額を受け入れることができませんでした。
そこでAIの単勝・複勝を買わず、モンローウォークからの馬連を購入しました。
結果は――
モンローウォークが1着。
AIが出していた単勝も複勝も的中です。
AIにそのまま従っていれば、当たっていました。
しかし私は、この判断については後悔していません。
なぜなら、馬券を買う前の時点で、
「この金額を失ったときのショックは大きすぎる」
と感じていたからです。
結果を知った後なら「買えばよかった」と簡単に言えます。
でも、馬券は結果を知る前に買うものです。
自分が納得できない金額を無理に賭けない。
これはAIの的中とは別の問題だと思っています。
ただし反省点もあります。
3万円を賭けられないと判断したのなら、ローズSそのものを見送ればよかった。
ところが私は別の馬券を買いました。
ここには、
「せっかくの重賞だから何か買いたい」
という自分の気持ちがあったのだと思います。
セントライト記念――AIが「買わない」、私は買った
そしてセントライト記念。
こちらはローズSとは正反対でした。
AIから購入対象馬が出ませんでした。
つまり、
買目なし。
現在のルールなら見送りです。
先週の札幌2歳Sでは、同じように買目が出ず、そのまま見送ることができました。
私はそれを「買わないレースも自動的に決められるようになった」と評価しました。
ところが今週は違いました。
「見送るか?」
「買うか?」
迷った末に、買目には出ていなかったAI予想馬の単勝・複勝を購入しました。
結果、その馬は2着。
単勝は外れましたが、
複勝は的中しました。
結果だけなら、「買ってよかった」となります。
しかし、ここでそう結論づけていいのだろうか。
私は少し引っかかりました。
どちらも結果だけなら悪くない
今週の2レースを並べると、少し不思議です。
ローズSでは、
AI「買う」
→ 私「その単複は買わない」
→ AIの単勝・複勝は的中。
セントライト記念では、
AI「買わない」
→ 私「買う」
→ 複勝的中。
正反対のことをしています。
そして結果だけを見ると、どちらにも的中が絡んでいます。
だからこそ怖い。
もしセントライト記念で私が買った馬が着外だったら、
「やっぱりAIに従えばよかった」
と反省したでしょう。
ところが複勝が当たると、
「自分の判断も必要なのでは?」
と思いたくなります。
これは結果を見てからルールを評価していることになります。
当たったルール違反は、成功なのか?
ここで自分に問いかけます。
当たったのだから、セントライト記念を買った判断は正しかったのか?
私は、そうは考えない方がいいと思っています。
少なくとも「競馬AIの検証」という目的では、正解とは言えません。
なぜなら、今の私は、
同じ条件で馬券を買い続けたらどうなるのか
を調べているからです。
AIの判断に従ったり従わなかったりして、その結果を全部一緒にしてしまえば、何を検証しているのか分からなくなります。
AIの買目が外れそうだから自分で変える。
買目がないけれど当たりそうだから自分で買う。
これを繰り返せば、最終的にはAIの成績ではなく、
「AIを見ながら私が考えて買った馬券の成績」
になってしまいます。
それは私が今作ろうとしているものとは違います。
ただし、ローズSは別の問題を教えてくれた
一方で、すべてを単純に「ルール違反だから駄目」と片づけるのも違うと思います。
ローズSで感じた30,000円への抵抗です。
これは実戦して初めて分かった問題でした。
AIは条件に従って購入金額を計算します。
しかし実際にその金額を失う可能性を引き受けるのは私です。
AIが、
「この馬を30,000円買う」
と出したとき、
私自身が、
「この金額は怖くて買えない」
と感じた。
この事実は無視しない方がいいでしょう。
だからといって、今日すぐ購入金額の計算式を変更するつもりはありません。
まず記録します。
同じようなケースが今後も出るのか。
そのとき私はどう感じるのか。
データが増えてから考えればいい。
一度怖いと思ったから、すぐAIを変更する。
これをやってしまえば、また8月に戻ってしまいます。
AIの成績と「私の馬券」を分けよう
今回の経験から、一つだけ決めておいた方がよいと思うことがあります。
AIの買目と違う馬券を私が買った場合は、
AIの実戦成績とは分けて記録する。
AIが買目を出した。
私が買わなかった。
それは「AI買目・未購入」。
AIが買目を出さなかった。
私が勝手に買った。
それは「個人判断による購入」。
こうしておけば、後になって成績を振り返ったときに混乱しません。
これは購入ルールを変更することではありません。
記録を正しく残すための区別です。
競馬が好きだから、ルールを守るのが難しい
ここまでAIを作ってきて、だんだん分かってきたことがあります。
技術的な問題より難しいものがあります。
それは、
私自身です。
競馬が好きだから、重賞があれば買いたくなる。
買目がなければ、別の買い方を考えたくなる。
AIの購入金額が大きければ、自分で違う馬券を作りたくなる。
そして、それがたまたま当たると、
「やっぱり自分の判断も入れた方がいいのではないか」
と思ってしまう。
でも、それを始めたらAIを作った意味が薄れてしまいます。
AIは私から競馬を取り上げるために作ったものではありません。
むしろ、私が迷いすぎず、長く競馬を楽しむために作ってきたものです。
だからこそ、AIと自分の役割を分ける必要があるのだと思います。
今週の結論――的中と正解は同じではない
今週は、とても分かりやすい経験をしました。
馬券が的中したことと、判断が正しかったことは同じではない。
セントライト記念の複勝は的中しました。
それは素直にうれしい。
しかし、AIが「買目なし」と判断したレースを私が買ったという事実は変わりません。
反対にローズSでは、AIの単勝・複勝は的中しましたが、私は買いませんでした。
それでも、自分が許容できない金額を賭けなかったことを後悔する必要はないと思っています。
問題は、そこから別の馬券を買ってしまったことです。
今週の経験を、次の週末の自分に残しておきます。
買目が出たからといって、無理な金額まで買う必要はない。
しかし、
買目が出なかったからといって、自分で買う理由を探す必要もない。
そして何より、
「当たったから正解だった」と、自分に都合よくルールを書き換えない。
8月はAIを作ることに苦労しました。
9月は、作ったAIに従うことの難しさを経験しています。
どうやら競馬AIが完成に近づいても、
最後に一番難しいのは、私自身なのかもしれません。
来週はもう一度、
触らない。迷わない。勝手に買わない。
ここへ戻ります。
結果ではなく、決めたことを守れたか。
次の週末は、そこをもう一度確認してみます。